猛暑が続く中、近年発生している盗難事件の中に、今まで類を見なかった事件が次々と発生しています。
中にも、命に関わるほどの重大な盗難事件の一つがエアコン室外機の盗難事件です。
今回は
- なぜエアコンの室外機が狙われるのか?
- 室外機の盗難防止対策と盗難防止グッズ
について詳しく紹介します。
なぜエアコンの室外機が狙われるのか?
昨今、エアコン室外機の盗難が多発しています。
エアコンの室外機はその名の通り、室外に設置する装置で昔からずっと外に設置してきました。
エアコン自体は高額ではありますが、室外機だけでは何も役に立たないので室外機を狙う窃盗は近年までは発生しませんでしたし、設置する側も室外機が狙われることは想定外だったので、近年のこういった室外機の盗難が相次ぐことに困惑する声も多数上がっています。
近年、室外機が狙われるようになった理由は、簡単に言えば一部の悪い人たちが室外機を換金してお金を稼ぐことが出来るという事に気付いたからです。
室外機は外に設置する機械なので、元々盗もうと思えば盗むこと自体はそれほど難しくありませんでした。
しかし、室外機は室内機を稼働させるために必要な機械で、基本的にエアコンは室外機と室内機をセットで販売しているため、室外機だけでは転売しても売れなかったんです。
ですが、近年物価の上昇に伴い、金属製が大変貴重になってきています。
そのため、金属の買い取りの需要が高まりつつあるんですね。
中でも、様々な最新機器に用いられる銅は非常に需要が高く、ここ数年で買い取り価格の単価も跳ね上がりました。
金属の買い取り需要が全体的に高まっているので、銅以外にも鉄やアルミニウムなど様々な種類の金属が以前より高価格で買い取られるようになりました。
室外機は、それ単体では需要がありませんが、中はいろんな種類の金属で構成されています。
その中には高額で買い取られる銅も含まれています。
室外機を盗んだ人たちは、室外機をバラバラにして中の金属だけを抜き取り、産業廃棄物処理業者に販売することで利益を得ています。
犯人たちは自分たちが買い取りを依頼しているものが盗難品だとバレないように廃品回収業者や家電販売業者などを装います。
だから、買い取る産業廃棄物処理業者は知らずに買い取っている可能性が高いです。
さらに、廃品回収業者や家電販売業者を装うと室外機を盗む際も、もし誰かに見られてもエアコンの取り付け工事か修理の最中だと思われるので、周りが気づきにくいのはこのためです。
因みに、太陽光の発電施設からも電線が切断され、大量に盗まれるという事件も時々発生しています。
太陽光発電施設の関係者もまさか外や地下に張り巡らされている電線が盗まれるとは想定外だったため、困惑しているとのことでした。
この電線の盗難事件も実は電線に使われる金属が目的の犯行なんですよね・・・。
室外機の盗難防止対策
盗難防止対策①コンクリートブロックに盗難防止用のボルトセットで固定
室外機を簡単に盗めないようにするために、室外機をコンクリートブロックに固定する方法があります。
固定する時に使うボルトが盗難防止用として販売されているボルトなら、より効果的です。
盗難防止用のボルトは専用の付属工具でなければ緩めることができないからですね。
この方法はかなり効果的ですが、盗む人が複数人だったり、同じ専属工具を持っていたりすると突破される恐れがあります。
盗難防止対策②防犯用のチェーンで固定する
防犯用のチェーンを使って周囲に固定させる方法です。
これなら、鍵がなければチェーンを開けられないので簡単に盗むことはできません。
しかし、チェーンを切断する工具さえあれば、解除できてしまうので万全とは言えません。
とはいえ、チェーンを切断するには時間が掛かるので、誰かに見られるリスクを考えて避けられる可能性も高いので、他の盗難防止方法と併用するのなら非常に有効的な方法の一つです。
盗難防止対策③柵で囲う
室外機を鉄やアルミ製の柵で囲う方法です。
これなら柵を壊さない限り室外機を運び出すことは出来ません。
無理やり柵を壊そうとしたら大きな音がしますし、工具で柵を壊すのに時間も掛かります。
この方法はかなり有効な方法ではありますが、柵を設置するには手間が掛かります。
自力で設置が難しい方が多いと思うので、設置する際は専門業者に依頼した方が良いでしょう。
盗難防止対策④防犯アラームを設置する
室外機にセンサー式の防犯アラームを設置する方法です。
普段あまり近づくことのない場所に室外機を設置している場合は、人や動物の動きに反応するセンサー式の防犯アラームを設置すると有効です。
動きを感知したら大きな音を出しながら電話やネットを介して知らせるタイプもあるので、各々家庭の状況に適したタイプの防犯アラームを設置すると良いでしょう。
窃盗犯が近づいたら大きな音を出すので、その状況で堂々と盗んでいく人はほぼいないと思います。
デメリットとしては動物にも反応するので近所の野良猫が近づいた時も音が鳴るという点でしょうか。
盗難防止対策⑤防犯カメラを設置する
防犯カメラを設置し、録画する方法です。
しかし、防犯カメラだけでは盗まれること自体は阻止しづらいかもしれません。
防犯カメラに気付かない犯人が、録画されていることに気付かず室外機を持ち去ることもあり得ます。
その場合、録画した動画を後から警察に届ければ犯人を逮捕してもらえるかもしれませんが、その頃には持ち去られた室外機はもう売却された後の可能性が高いです。
なので、事前に防止したい場合は、防犯カメラを設置すると同時に防犯カメラが設置されていることを知らせる貼り紙を貼って、防犯アラームを設置しておくとまず盗もうとする人はいないのではないでしょうか!
盗難防止対策についての私の考え
いくつかの盗難防止対策を紹介しましたが、これらの方法の中で何がベストなのか?ですが・・・。
答えは各々状況に応じて、可能なら複数の方法を併用することがベストではないでしょうか。
前提として防犯対策に100%阻止可能な防犯対策はありません。
しかしながら、いくつかの防犯対策を同時に施すことで、盗むことがほぼ不可能な防犯対策にすることはできます。
室外機など機械を盗む犯人は、複数犯で行動していることが多いです。
人数が多ければ多いほど短い時間で素早く室外機を盗み出すことが出来るからですね。
しかし、どんなに人数が多くても二重三重に施された防犯対策を全て撤去するには、通常より多くの時間を要します。
室外機を盗むために一つの家で長々と作業していたら、誰かしらに目撃されるリスクが高くなります。
さらに防犯アラームのように音を出すタイプの場合は、瞬時に近所の人たちに気付かれるでしょう。
犯人たちもバレたら警察に逮捕されることは重々承知しているはずなので、すかさず逃げ出すに違いありません。
なので、防犯アラームと他の防犯対策を併用することをおすすめします!
個人的に特におすすめしたいのは、余裕があれば防犯カメラも一緒に設置したら良いでしょう。
被害に遭わなかったとしても、盗難未遂として警察に届け出ることで未然に事件を防ぐことにも繋がります。
室外機の盗難防止グッズ
これまで室外機の盗難防止対策についていくつか紹介しましたが、そこで用いられる盗難防止グッズをまとめて紹介します。
盗難防止グッズ①防犯カメラ
昨今、個人の家でも防犯カメラを設置されていることは珍しくありません。
そのため、市場には様々なタイプの防犯カメラが発売されています。
室外機のための防犯カメラであれば、常時撮影するタイプでなくても良いでしょう。
動きを感知したら一定時間撮影するタイプなども良いかもしれませんね。
盗難防止グッズ②防犯アラーム
防犯アラームは女性が防犯用に携帯するタイプが一般的ですが、最近は果樹園や農家の倉庫などに設置するための警報用アラームも数多く発売されているので、壁などに設置できるタイプを選ぶと良いでしょう。
盗難防止グッズ③チェーン
防犯用のチェーンもいろんな種類が販売されているので、設置場所の環境に合うチェーンを用いると良いでしょう。
自分で設置できない場合は、エアコンの専門業者に依頼することをおすすめします。
盗難防止グッズ④柵、コンクリートブロック、盗難防止用のボルトセット
これらについては上記の盗難防止対策において詳しく紹介していますが、購入の際はホームセンターやネット通販を利用すると良いでしょう。
室外機の設置場所によってはこれらだけでも事足りる場合もあると思いますが、設置場所がオープンすぎるなどこれらだけでは不足と感じる場合は、上記で紹介した盗難防止グッズも併用しましょう!
盗難防止グッズ⑤防犯用フェンスガード(忍び返し)
フェンスガードは主に一軒家のブロック塀の上に設置します。
室外機に直接設置するものではありませんが、ブロック塀の上に設置することで外部からの侵入を防ぎます。
フェンスガードなら室外機の他、不法侵入全般を予防できるので該当する住宅に住む方は防犯対策として検討してみてください。
その他
この方法は該当する住宅でしかできない方法ですが、屋上のある一軒家なら屋上に室外機を置くのも有効な方法です。
屋上に置いたとしても念のため、盗難防止用のブロックや柵も設置しておくとなお安心ですね。^^
近年、新型ウイルスの影響でマイホームの購入を検討する人たちにも大きな変化が表れています。
その中の一つが、屋上テラス付き住宅を希望する人が増えたことです。
屋上テラスがあれば外出自粛中でも自宅で気軽にアウトドアを楽しむことが出来ます。
また、庭より屋上の方が安心して子供たちだけで遊ばせておくことも出来ますし、インテリによってはちょっとした自宅リゾート地を作ることも出来るんです。
そういったメリットから屋上テラス付き住宅の需要が高まっているので、これからは屋上付き戸建てに住む人もかなり増えるのではないでしょうか。
その場合は防犯のためにエアコンの室外機も是非屋上に設置しておきましょう!
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